「楽天モバイルのSIMをSIMフリー端末に挿したのに圏外になる」「データ通信ができない」「通話やSMSが使えない」ーーーこのようなトラブルでお困りではありませんか?
楽天モバイルは、基本的にSIMフリー端末で利用できますが、すべての端末で使用できるわけではありません。
さらに、対応バンドの問題だけでなく、APN設定の不備やSIMロック解除の不完全・VoLTE非対応など、使えない原因は全部で8つのパターンに分類できます。
実際によくあるトラブル事例として、「SIMカードは認識されているのにデータ通信ができない」「SMS認証コードが届かずアプリにログインできない」「iPhoneで『モバイル通信ネットワークに接続できません』と表示される」「海外製スマホが日本の周波数帯と合わない」「中古スマホ購入時に『SIMロック解除済み』と記載されていたが実は未解除だった」といった症状が多数報告されています。
これらはすべて、事前の確認不足や設定ミスが原因で発生しているのです。
本記事では、楽天モバイルでSIMフリー端末が使えない原因を仕組みから詳しく解説し、Android・iPhone別の正しいAPN設定手順やトラブル解決のチェックポイント・確実に使えるおすすめ端末までを紹介します。
目次
楽天モバイルでSIMフリー端末が使えない主な原因
楽天モバイルにSIMフリー端末のSIMを挿したのに「圏外」「データ通信不可」「SMSが届かない」などのトラブルが発生するケースは少なくありません。
まずは原因を整理して、解決の方向性をつかみましょう。
楽天モバイルでSIMフリー端末が使えない原因は、大きく分けて8つのパターンに分類できます。
それぞれの原因によって対処法が異なるため、自分の端末がどのケースに該当するか確認することが重要です。
以下、代表的な8つの原因を詳しく解説していきます。
原因① 楽天回線(Band 3・Band 18/26)に端末が対応していない
楽天モバイルで最も多いトラブル原因が、端末の対応周波数帯(バンド)の不一致です。
楽天モバイルは主に「Band 3(1.7GHz帯)」を楽天回線として利用しており、この周波数に非対応の端末では通信が安定しません。
楽天モバイルの主要バンド
| 回線種別 | 周波数帯 | バンド名 | 重要度 |
|---|---|---|---|
| 4G/LTE(楽天自社回線) | 1.7GHz | Band 3 | 必須 |
| 4G/LTE(パートナー回線) | 800MHz | Band 18/26 | 推奨 |
| 5G(Sub‑6) | 3.8GHz | n77 | オプション |
| プラチナバンド | 700MHz | Band 28 | エリア限定 |
Band 3は楽天モバイルの基幹バンドであり、このバンドに対応していない端末では都市部でも通信が不安定になります。
また、パートナー回線(au回線)を利用するためにはBand 18またはBand 26への対応も重要です。
特に海外製端末や古い機種では、Band 3に対応していないケースがあります。
購入前に必ず楽天モバイル公式サイトの「楽天回線対応製品」ページで、お使いの端末の型番を検索して対応状況を確認しましょう。
対応バンドが不足している場合、都市部では問題なくても、郊外や屋内で圏外になる可能性が高くなります。
原因② SIMロック解除が不完全・設定が保持されていない
ドコモ・au・ソフトバンクなどの他社で購入した端末には、その通信事業者専用の「SIMロック」がかかっている場合があります。
SIMロックが解除されていない、または解除手続きが不完全な端末に楽天モバイルのSIMカードを挿入しても、「SIMカードが挿入されていません」や「圏外」と表示され、一切利用できません。
- 2021年10月1日以前に発売された他社キャリア端末
- 中古スマホ購入時に「SIMロック解除済み」と記載されていても、実際には未解除だった場合
- キャリアショップで解除手続きをしたが、端末側の設定が完了していないケース
- iPhone: 「設定」→「一般」→「情報」で「SIMロック」の項目を確認する。
「SIMロックなし」と表示されていれば解除済み。 - Android: 「設定」→「端末情報」→「SIMのステータス」で「解除されています」と表示されていれば解除済み。
SIMロック解除は、各キャリアの会員ページ(My docomo/My au/My SoftBank)から無料で手続きできます。
解除手続き後は必ず端末を再起動し、設定が正しく反映されているか確認しましょう。
原因③ APN設定が自動で入らず、手動設定が必要なケース
SIMカードを挿入しただけでは通信できない場合、APN(アクセスポイント名)の設定が必要です。
APNは、スマートフォンがモバイルデータ通信を行うための「接続先情報」のようなもので、正しく設定しないとインターネット通信やSMSが利用できません。
楽天モバイル対応端末では、自動で設定されることが一般的ですが、以下の場合は手動設定が必要となります。
- 楽天モバイルの動作確認リストに掲載されていない端末
- 海外製SIMフリー端末(グローバル版・中国版など)
- 他社で購入したSIMロック解除済み端末
- 中古スマホや白ロム端末
- 一部の格安スマホ・MVNO専用端末
APN設定が正しくないと、「モバイルデータ通信ができない」「SMSが受信できない」「テザリングが利用できない」などの不具合が発生します。
原因④ VoLTE(IMS設定)が未対応で通話が使えないケース
楽天モバイルでは、VoLTE(Voice over LTE)が有効でなければ、通話やSMSが行えません。
VoLTEは、4G LTE回線を利用して高音質の音声通話を可能にする技術で、通話中でも高速データ通信が継続できる通信方式です。
- 音声通話ができない(発信・着信どちらも不可)
- SMSの送受信ができない
- Rakuten Linkアプリが正常に動作しない
- 通話品質が著しく悪い・途切れる
- Android端末全般(古い機種やMVNO専用モデル)
- 海外製スマートフォン(Xiaomi、HUAWEI、OPPOなど)
- 一部のiPhone(iOS 14.4未満のバージョン)
VoLTE設定の確認と有効化手順
iPhone
「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「音声通話とデータ」→「LTE, VoLTE音声通話」を選択
Android
「設定」→「ネットワークとインターネット」→「モバイルネットワーク」→「VoLTE通話」をONに設定
iPhoneでの場合、iOS 14.4以降および最新版キャリア設定が適用されている環境では、VoLTEが自動的にONになる機種もあります。
VoLTEがOFFのままだと、楽天モバイルでは通話・SMS・インターネット接続に、支障が出る可能性も考えられます 。
旧モデルや海外版端末では、VoLTEが初期OFF設定の場合も多いため、必ず確認しましょう。
原因⑤ 古い端末・海外端末で周波数帯が一致していない
海外で販売されているスマートフォンや数年前の古い端末は、日本国内の周波数帯に完全対応していないケースが多くあります。
特に技適マーク(技術基準適合証明)がない端末は、国内での使用が法律上認められないため注意が必要です。
- 海外版iPhone(アメリカ・中国モデル)
- Galaxy Sシリーズのグローバル版(日本未発売モデル)
- 中国・東南アジア向けスマホ(Redmi、Realme、OnePlusなど)
- 古いAndroid端末(2018年以前のモデル)
- 都市部では通信できても、郊外や屋内で圏外になる
- 通信速度が著しく遅い、または不安定
- パートナー回線(au回線)を受信できない
- 5G通信ができない(n77非対応の場合)
楽天モバイルを快適に利用するには、最低でもBand 3(1.8GHz)への対応が必須です。
さらに、Band 18/26(800MHzO)にも対応していれば、パートナー回線エリアでも安定した通信が可能となります。
海外製端末や古い機種を使用する場合は、購入前に必ず楽天モバイル公式サイトの「楽天回線対応製品」リストで対応状況を確認すると良いでしょう。
原因⑥ 5Gのみ対応端末で4G周波数を受信できない
一部の5G専用端末や、5G通信を優先する設定になっている端末では、4G周波数帯をうまく掴めないケースがあります。
楽天モバイルの5Gエリアはまだ限定的であり、5G通信のみに設定していると、4Gエリアで圏外になってしまう可能性があります。
- 5Gエリア外で圏外になる
- 4Gと5Gの切り替えがうまくいかず、通信が途切れる
- バッテリー消費が激しい(5G電波を常に探索するため)
- 「設定」→「モバイルネットワーク」→「優先ネットワークタイプ」で「4G/5G自動」または「4G」を選択
- 5Gエリア外では手動で4Gに切り替える
- 5G通信が安定しない場合は、一時的に4G専用モードにする
楽天モバイルでは、5Gエリアが順次拡大中ですが、現時点では4G通信がメインです。
5G端末を使用する場合でも、4G/5G自動切り替え設定にしておくことで、エリアに応じて最適な通信方式の選択が行えます。
原因⑦ 楽天モバイルのSIM(eSIM含む)が認識されていない
SIMカード自体に問題がある、またはeSIMプロファイルが正しく設定されていないケースもあります。
- SIMカードの接触不良や汚れ
- SIMカードの破損や割れ・欠け
- SIMトレーの歪みや破損
- eSIMプロファイルのダウンロード失敗
- 旧eSIMプロファイルが残っている
- デュアルSIM利用時の設定ミス
- 端末を再起動して、認識状態を確認する
- 端末の電源をOFFにする
- SIMカードを取り出し、金属端子を柔らかい布で拭く
- SIMトレーに、ホコリや異物がないかを確認する
- SIMカードを正しい向きで再挿入する
他の端末でSIMカードを試すことで、原因がSIMにあるのか端末にあるのかを切り分けられます。
- eSIMプロファイルの再ダウンロードが必要な場合がある
- my楽天モバイルから「eSIM再発行」を申請する
- 新しいQRコードで再設定を行う
- 旧プロファイルは削除する
原因⑧ 楽天回線エリア外でパートナー回線(au)を受信できない
端末やSIMに問題がなくても、楽天回線のサービスエリア外にいる場合や、パートナー回線(au回線)への接続がうまくいかないケースがあります。
楽天モバイルは自社回線エリアを順次拡大していますが、まだカバーしきれていない地域では、パートナー回線であるau回線(Band 18/26)を利用します。
- 端末がBand 18/26に非対応
- ネットワーク設定で「楽天回線のみ」に設定されている
- パートナー回線提供エリアでない(既に提供終了した地域)
- 一時的な通信障害や基地局メンテナンス
- 楽天モバイル公式サイトの「サービスエリアマップ」にアクセスする
- 現在地の住所を入力して、楽天回線の提供状況を確認する
- パートナー回線(au回線)のエリアも併せて確認する
- 楽天モバイル公式サイトの「障害情報ページ」を確認
- 公式Xアカウント(@RakutenMobile)で最新情報をチェック
- 複数の端末で同様の症状が出ているか確認
屋内や地下・山間部では、電波が届きにくい場合があるため、窓際に移動したり場所を変えたりして、再接続を試してください。
一時的な通信障害の場合は、時間を置いて再度接続を確認することも有効です。
楽天モバイルでSIMフリー端末が使えない場合の具体的な事例
ここでは、楽天モバイルユーザーから報告の多い6つの代表的な事例を詳しく解説します。
自分の症状に近い事例を見つけることで、原因の特定と解決がスムーズになります。
さらに、AndroidとiPhoneでは設定手順や注意点が異なる場合があるため、端末別のポイントも併せて紹介します。
事例① データ通信だけ使えず「圏外」表記になる
SIMカードは認識されているにもかかわらず、モバイルデータ通信ができない状態になります。
画面上部のアンテナマークには「×」マークや「圏外」と表示され、ネットワークに接続できていないことが分かります。
この状態では通話やSMSも利用できず、携帯電話としての基本機能が使えません。
ただし、Wi-Fi接続時はインターネットが正常に使えるため、端末自体の故障ではなく、モバイルネットワーク設定に問題があることが判断できます。
- 端末が楽天モバイルのBand 3(1.8GHz)に非対応
- APN設定が正しくない、または未設定
- モバイルデータ通信がOFFになっている
- 楽天回線エリア外で、パートナー回線が受信できていない
- 楽天モバイル公式サイトで端末の対応バンドを確認する
- APN設定を手動で入力する(rakuten.jp)
- 「設定」→「モバイルネットワーク」→「モバイルデータ通信」をONにする
- 場所を移動して電波状況を確認する
- ネットワーク設定をリセットして再設定を行う
事例② SMS認証ができず、アプリログインが進まない
SMS認証コードが届かないトラブルも頻繁に発生します。
LINEやメルカリなどのアプリで本人確認ができず、銀行アプリやSNSのログインが進まない状態になります。
この場合、データ通信は問題なく使えているため、原因はSMS機能に特化した設定不足にあります。
多くのケースでVoLTE設定が無効になっていることが原因で、これを有効化することでSMS受信が可能となるでしょう。
- VoLTE設定がOFFになっている
- APN設定のAPNタイプに「default,supl」が含まれていない
- SMS受信がブロックされている
- 楽天回線エリア外でパートナー回線のSMS機能が使えない
- VoLTE設定を有効化する(Android:「設定」→「VoLTE通話」ON、iPhone:「LTE, VoLTE音声通話」を選択)
- APN設定のAPNタイプを「default,supl」に修正する
- SMS受信拒否設定を解除する
- 端末を再起動してSMS受信を再試行する
- 別の認証方法(音声通話、メール認証)を試す
事例③ 通話のみ利用できず、Rakuten Linkも不安定
音声通話ができない(発信・着信どちらも不可)というトラブルもあります。
Rakuten Linkアプリを起動しても「サーバーに接続できません」と表示され、通話機能が全く使えない状態です。
この場合、データ通信とSMSは正常に使えているため、VoLTE設定が無効になっていることが主な原因となります。
また、VoLTEが有効でも通話中に頻繁に途切れる場合は、Band 18/26(800MHz)に非対応で、楽天モバイルの電波を安定して受信できていない可能性もあります。
- VoLTE(IMS設定)が未対応または無効
- Rakuten Linkアプリの初期設定が完了していない
- 端末が楽天モバイルのVoLTEに対応していない
- キャリア設定のアップデートが未実施(iPhone)
- VoLTE設定を有効化する
- Rakuten Linkアプリを最新版にアップデートする
- Rakuten Linkアプリで楽天IDログインを再実施する
- Phoneの場合は「設定」→「一般」→「情報」でキャリア設定アップデートを確認する
- 端末が、楽天モバイルの動作確認リストに掲載されているかを確認す
事例④ iPhoneで「モバイル通信ネットワークに接続できません」が表示される
iPhone特有のトラブルとして、画面に「モバイル通信ネットワークに接続できません」というメッセージが表示されるケースがあります。
これは、圏外表示が続き、SIMカードは認識されているにもかかわらず通信ができない状態です。
Wi-Fi環境では問題なくインターネットが使えるため、端末の故障ではなく、キャリア設定やAPN設定に問題があることが分かります。
特に古いiPhone(iPhone 6s以前)や海外版iPhoneでは、楽天モバイルの対応バンドを搭載していない可能性が高く、根本的な解決が難しい場合もあります。
- キャリア設定のアップデートが未実施
- 他社の構成プロファイルが残っている
- iOS のバージョンが古い(iOS 14.4未満)
- ネットワーク設定に不具合がある
- 「設定」→「一般」→「情報」を開き、キャリア設定アップデートを実施する
- 「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」→「プロファイル」から他社プロファイルを削除する
- iOSを最新バージョンにアップデートする
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「リセット」→「ネットワーク設定をリセット」
- 端末を再起動してSIMを再認識させる
iPhoneの場合、他社から楽天モバイルに乗り換えた際に、前のキャリアの構成プロファイルが残っていると通信できない場合があります。
必ず古いプロファイルを削除してから、楽天モバイルの設定を行いましょう。
事例⑤ 海外スマホ(Xiaomi, Samsung, Pixelなど)が日本の周波数と合わない
海外で購入したスマホに楽天モバイルのSIMを挿したが圏外になるというトラブルも多く報告されています。
都市部では時々通信できるものの、郊外や屋内で圏外になり、データ通信速度が極端に遅い状態が続きます。
これは海外版端末が日本の周波数帯、特にBand 3(1.8GHz)やBand 18/26(800MHz)に対応していないことが原因です。
また、パートナー回線(au回線)に全く接続できない場合、Band 18に非対応の可能性が高く、楽天モバイルの自社エリア外では実質的に使用できません。
購入前に必ず技術仕様で対応バンドを確認することが重要です。
- 海外版端末が日本のBand 3(1.8GHz)に非対応
- Band 18/26(パートナー回線)に非対応
- 技適マークがなく、日本国内での使用が法律上認められない
- グローバル版のファームウェアで日本の設定が最適化されていない
- 端末の対応バンドを確認(仕様書やメーカー公式サイト)
- 楽天モバイル公式サイトの「楽天回線対応製品」リストで動作確認状況を確認
- 日本国内版の同機種に買い替える
- 技適マークのある端末を選ぶ(法令遵守のため)
事例⑥ 中古スマホ購入時に「SIMロック解除済み」と記載されていたが実は未解除
中古スマホを購入した際、「SIMロック解除済み」と記載されていたにもかかわらず、実際には未解除だったというケースも少なくありません。
楽天モバイルのSIMを挿すと「SIMが無効です」「認証できません」と表示され、圏外表示が続いて一切通信できない状態になります。
この場合、SIMカードを別の端末に挿すと正常に動作するため、SIM自体の問題ではなく、端末側のSIMロックが残っていることが確認できます。
購入前に販売店にIMEI番号を確認し、各キャリアの公式サイトでSIMロック解除状態を照会することで、このトラブルを未然に防げます。
- 販売者の確認不足でSIMロックが実際には解除されていない
- SIMロック解除手続きは完了したが、端末側の設定が完了していない
- ネットワーク利用制限がかかっている(分割払い未完了、盗難報告済み)
- 他社のSIMロックが残っている(解除コード未入力)
- 端末のSIMロック状態を再確認(iPhone:「設定」→「一般」→「情報」、Android:「設定」→「端末情報」)
- 各キャリアのIMEI確認サイトでSIMロック解除状態を照会
- ネットワーク利用制限を確認(各キャリアの「ネットワーク利用制限確認サイト」で確認)
- 販売者に連絡して返品・交換を依頼
- 自分でSIMロック解除手続きを再実施(購入から100日以上経過している必要あり)
《中古スマホ購入時の確認ポイント》
| 確認項目 | 確認方法 | 重要度 |
|---|---|---|
| SIMロック解除済み | 端末設定画面で確認 | 必須 |
| ネットワーク利用制限 | 各キャリアサイトで確認 | 必須 |
| 技適マーク | 端末本体または設定画面で確認 | 必須 |
| バッテリー状態 | 設定画面で確認 | 推奨 |
| 楽天回線対応 | 楽天モバイル公式サイトで確認 | 推奨 |
中古スマホを購入する際は、必ず購入前にSIMロック解除状態とネットワーク利用制限を確認しましょう。
信頼できる販売店から購入することも重要です。
楽天モバイルでSIMフリー端末を使うための基本設定と確認ポイント
利用できないトラブルの多くは、初期設定または端末仕様の確認不足が原因です。
まずは、最初に押さえるべきポイントからチェックしていきましょう。
ここでは、楽天モバイルでSIMフリー端末を使うために必須の8つの確認ポイントを詳しく解説します。
チェック① 端末が楽天回線の周波数に対応しているか
楽天モバイルで快適に利用するためには、端末が楽天回線の主要バンドに対応していることが最も重要です。
- Band 3(1.8GHz): 楽天自社回線の基幹バンド(必須)
- Band 18/26(800MHz): パートナー回線(au回線)で使用(推奨)
- n77(3.8GHz): 5G通信で使用(オプション)
- 「選択肢から選んで調べる」または「機種名を入力して検索」を選択する
- 楽天モバイル公式サイトの「楽天回線対応製品」ページにアクセスする
- メーカー名(Apple、Samsung、Sonyなど)を選択して機種を絞り込む
- 該当機種の対応状況を確認する
対応状況の記号の意味
| 記号 | 意味 | 利用可否 |
|---|---|---|
| ○ | 完全対応 | すべての機能が利用可能 |
| △ | 一部対応 | 一部機能のみ利用可能 |
| × | 非対応 | 利用不可 |
「○」が表示されれば、音声通話・データ通信・SMS・テザリングすべてが問題なく利用できます。
「△」の場合は、どの機能が制限されるか詳細を確認してください。
端末の型番は、「設定」→「端末情報」で確認できます。
正確な型番で検索することで、類似機種との混同を防げます。
チェック② SIMロック解除の状態を再確認する
他社で購入した端末を楽天モバイルで使う場合、SIMロック解除が完了しているか必ず確認してください。
SIMロック解除状態の確認方法
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」→「情報」をタップ
- 下にスクロールして「SIMロック」の項目を確認する
- 「SIMロックなし」と表示されていれば解除されている状態
- 「設定」アプリを開く
- 「端末情報」または「デバイス情報」をタップ
- 「SIMのステータス」または「SIMカード状態」を確認する
- 「許可されています」「解除されています」と表示されていれば解除されている状態
- 2021年10月1日以前に発売された他社キャリア端末
- ドコモ・au・ソフトバンクで購入した端末
- 中古スマホで「SIMロック解除済み」の確認が取れていない端末
- 各キャリアの会員ページにログイン(My docomo/My au/My SoftBank)
- SIMロック解除」メニューを選択
- 端末のIMEI番号を入力(「設定」→「端末情報」で確認可能)
- 解除申請を実施
- 端末を再起動して設定を反映
解除手続き後は必ず端末を再起動し、設定が正しく反映されているか確認しましょう。
チェック③ eSIM利用時の再発行・プロファイル再ダウンロード
eSIMを利用している場合、プロファイル情報の不具合や設定残りが原因で通信できないことがあります。
eSIMプロファイルの確認と再設定手順
- 「設定」→「モバイル通信」を開く
- 登録されているeSIMプロファイルを確認
- 古いプロファイルがあれば「モバイル通信プランを削除」
- 楽天モバイルから届いたQRコードを再スキャン
- 画面の指示に従って再インストール
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」を開く
- 「eSIMの追加」または「モバイルプランの追加」をタップ
- QRコードをスキャンまたは手動で入力
- プロファイルのダウンロードを完了
- 端末を再起動
- my楽天モバイルにログイン
- 「契約プラン」→「各種手続き」→「SIM交換・再発行」を選択
- 「eSIMを再発行する」を選択
- 登録メール宛に届くQRコードを使用して再設定
- プロファイルを再インストール後、端末を再起動
プロファイル設定に不具合がある場合は、再発行して新しいQRコードで設定し直すことをおすすめします。
チェック④ モバイルデータ通信設定のON/OFFとネットワーク選択
基本設定が正しくないと、SIMカードを認識していても通信できません。
モバイルデータ通信設定の確認
- 「設定」→「モバイル通信」を開く
- 「モバイルデータ通信」がONになっているか確認
- デュアルSIM利用時は「モバイルデータ通信」で楽天モバイルを選択
- 「通信のオプション」→「データローミング」をOFFに設定(国内利用時)
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」を開く
- 「モバイルネットワーク」をタップ
- 「モバイルデータ」がONになっているか確認
- 「優先ネットワークタイプ」で「4G/5G自動」または「4G」を選択
- 「ネットワークオペレーター」または「通信事業者」で「自動」を選択
- 手動で選択する場合は「Rakuten」または「440 11」を選択
- 「ローミング」はOFFに設定(国内利用時)
機内モードがONになっていると、すべての通信が遮断されます。
必ず機内モードがOFFになっているか確認してください。
チェック⑤ VoLTE設定の有効化
楽天モバイルでは、VoLTE(Voice over LTE)が有効でなければ通話やSMSができません。
VoLTE設定の有効化手順
- 「設定」→「モバイル通信」を開く
- 「通信のオプション」または「モバイルデータ通信」をタップ
- 「音声通話とデータ」で「LTE, VoLTE音声通話」を選択
- 端末を再起動して設定を反映
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」を開く
- 「モバイルネットワーク」をタップ
- 「VoLTE通話」または「4G VoLTE通話」をONにする
- 端末を再起動して設定を反映
- iOS 14.4以降のiPhoneでは、VoLTEが自動的にONになる機種もある
- 一部の海外端末やMVNO専用モデルでは、VoLTE設定項目が表示されないことがある
- VoLTE非対応端末では、楽天モバイルで通話やSMSが利用できない
VoLTEがOFFのままだと、楽天モバイルでは通話・SMS・インターネット接続に支障が出る可能性があるため、必ず有効化してください。
チェック⑥ Rakuten Linkアプリの初期設定
楽天モバイルでは、通話アプリRakuten Linkを使うことで、通話料無料・SMSの送受信無料になります。
- App StoreまたはGoogle PlayからRakuten Linkアプリをダウンロード
- アプリを起動して「楽天ID」でログイン
- 電話番号認証を実施(SMSで認証コードを受信)
- 位置情報アクセスを「常に許可」に設定(Android)
- 通知設定を有効化
- 通話テストを実施して動作確認
- VoLTE設定が有効でないと、Rakuten Linkが正常に動作しない
- iOS版とAndroid版で機能が一部異なる(iOS版はSMS送信が標準アプリに統合)
- Wi-Fi環境でも利用可能だが、初回設定時はモバイルデータ通信が必要
- 海外からの利用には制限あり(詳細は楽天モバイル公式サイトで確認)
Rakuten Linkアプリは定期的にアップデートされるため、最新版を使用することをおすすめします。
チェック⑦ OSアップデート・キャリア設定アップデートの確認
古いバージョンのOSやキャリア設定を使用していると、最新の通信仕様に対応できない場合があります。
OSアップデートの確認手順
- 「設定」→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」を開く
- 最新版がある場合は「今すぐインストール」をタップ
- Wi-Fi接続とバッテリー残量50%以上が必要
- アップデート後は端末を再起動
- 「更新の確認」をタップ
- 「設定」→「システム」→「システムアップデート」を開く
- 最新版がある場合はダウンロードとインストールを実施
- アップデート後は端末を再起動
- 「設定」→「一般」→「情報」を開く
- 数秒待つと「キャリア設定アップデートがあります」の案内が表示される場合がある
- 表示された場合は必ず「アップデート」をタップ
- 更新後は端末を再起動
キャリア設定アップデートは、通信キャリア(楽天モバイル)のネットワーク設定情報をスマホに反映させるための更新です。
OSアップデートとは異なり、表示された場合は必ず実行してください。
チェック⑧ 端末の再起動・ネットワークリセットで改善できることも多い
上記の設定を確認しても問題が解決しない場合、端末の一時的な不具合が原因の可能性があります。
- 端末の再起動: 電源を一度切り、10秒待ってから再度立ち上げる
- 機内モードのON/OFF: 機内モードを一度ONにして、10秒後にOFFにする
- SIMカードの抜き差し: 端末の電源をOFFにしてからSIMカードを抜き、再挿入
- キャッシュのクリア(Android): 「設定」→「ストレージ」→「キャッシュデータ」→「すべてクリア」
ネットワーク設定のリセット
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」を開く
- 「リセット」→「ネットワーク設定をリセット」をタップ
- パスコードを入力して実行
- 端末が再起動する
- Wi-Fiパスワードやモバイル通信設定を再設定
- 「設定」→「システム」→「リセットオプション」を開く
- 「Wi-Fi、モバイル、Bluetoothをリセット」をタップ
- 「設定をリセット」を実行
- 端末が再起動する
- Wi-Fiパスワードやモバイル通信設定を再設定
ネットワーク設定のリセットは、Wi-FiパスワードやBluetooth接続情報が消去されるため、再設定が必要です。
ただし、写真や連絡先、アプリのデータは削除されませんので、安心して実行できます。
楽天モバイルでSIMフリー端末を使う際の注意点
楽天モバイルでSIMフリー端末を使う際には、いくつかの注意点があります。
これらを事前に理解しておくことで、トラブルを未然に防げます。
楽天回線非対応端末は、今後も不安定になる可能性がある
楽天モバイル公式の「楽天回線対応製品」リストに掲載されていない端末は、現時点で使えても今後のアップデートで不安定になる可能性があります。
- OSアップデート後に突然圏外になる
- 通話やSMSができなくなる
- 一部機能(テザリング、VoLTEなど)が使えなくなる
- 楽天モバイルのサポート対象外
楽天モバイルは通信仕様や周波数帯を随時更新しており、非対応端末ではこれらの変更に追従できない場合があります。
長期的に安定して使いたい場合は、必ず「楽天回線対応製品」に掲載されている端末をえらびましょう。
中古端末購入時は「技適マーク」「SIMロック解除済み」を必ず確認する
中古スマホを購入する際は、以下の3点を必ず確認してください。
中古スマホ購入時の必須確認項目
| 確認項目 | 確認方法 | 重要度 |
|---|---|---|
| 技適マーク | 端末本体または設定画面で確認 | 必須 |
| SIMロック解除済み | 端末設定画面で確認 | 必須 |
| ネットワーク利用制限 | 各キャリアサイトで確認 | 必須 |
| バッテリー状態 | 設定画面で確認 | 推奨 |
| 楽天回線対応 | 楽天モバイル公式サイトで確認 | 推奨 |
eSIM対応端末なら開通がスムーズ(メリット解説)
eSIM(イーシム)対応端末なら、物理的なSIMカードの差し替えが不要で、開通手続きが非常にスムーズです。
- SIMカードの配送を待たずに即日開通できる
- SIMカードの紛失・破損のリスクがない
- デュアルSIM(物理SIM + eSIM)で2つの回線を同時利用可能
- 海外旅行時に現地SIMをeSIMで追加できる
- SIMスロットがない端末でも利用可能
- eSIM非対応端末では利用できない
- 機種変更時に再発行手続きが必要
- 一部の古い端末ではeSIMが不安定
- iPhone XS / XS Max / XR 以降のすべての機種
- iPhone SE(第2世代、第3世代)
- iPhone 11 / 11 Pro / 11 Pro Max 以降
- Google Pixel 4 以降
- Samsung Galaxy S20 以降
- Xperia 1 II 以降
- OPPO Reno5 A 以降
楽天モバイルの人気No.1は、データ無制限プランの安さ。楽天回線エリアなら使い放題、アプリ通話も無料で使えて経済的です。楽天ポイントも貯まりやすく、楽天経済圏ユーザーに特におすすめです。
| 月額料金 | 1,078円〜3,278円 (3GB〜無制限) |
使用回線 | 楽天回線 |
|---|---|---|---|
| 5G対応 | ○ | 口座振替 | ○ |
| eSIM対応 | ○ | 店舗サポート | ○ |
| かけ放題 | アプリで無料 | 通信品質 | ★★★★☆ |
ahamoはドコモ回線を使った高品質な通信が魅力。30GBの大容量データに5分以内の国内通話が無料でついて月額2,970円。海外82の国・地域でも追加料金なしで利用可能な点が特徴です。
| 月額料金 | 2,970円〜4,950円 (30GB/110GB) |
使用回線 | ドコモ回線 |
|---|---|---|---|
| 5G対応 | ○ | 口座振替 | ○ |
| eSIM対応 | ○ | 店舗サポート | ○(有料) |
| かけ放題 | 5分無料 | 通信品質 | ★★★★☆ |
LINEMOは3GBプランが月額990円と格安SIMの中でもコスパが高いのが魅力。LINEギガフリーでLINEアプリの利用時にデータ消費なしで、若年層を中心に人気です。オンライン完結で手軽に契約できます。
| 月額料金 | 990円〜2,970円 (3GB/10GB/30GB) |
使用回線 | ソフトバンク回線 |
|---|---|---|---|
| 5G対応 | ○ | 口座振替 | ○ |
| eSIM対応 | ○ | 店舗サポート | × |
| かけ放題 | オプション | 通信品質 | ★★★★☆ |
UQモバイルの人気No.1は、安定したau回線と手厚いサポート。全国展開の店舗網で初心者でも安心です。家族割やauセット割も適用できるため、auユーザーの家族におすすめの格安SIMです。
| 月額料金 | 1,078円〜3,278円 (4GB/15GB/33GB) |
使用回線 | au回線 |
|---|---|---|---|
| 5G対応 | ○ | 口座振替 | ○ |
| eSIM対応 | ○ | 店舗サポート | ○ |
| かけ放題 | オプション | 通信品質 | ★★★★☆ |
ワイモバイルは家族割や光回線セット割で大幅な料金割引が魅力。全国2,000店舗以上の実店舗サポートが充実しているため、対面サポートを重視する方におすすめです。PayPayポイントが貯まりやすいのも特徴です。
| 月額料金 | 2,365円〜5,115円 (4GB/30GB/35GB) |
使用回線 | ソフトバンク回線 |
|---|---|---|---|
| 5G対応 | ○ | 口座振替 | ○ |
| eSIM対応 | ○ | 店舗サポート | ○ |
| かけ放題 | オプション | 通信品質 | ★★★★☆ |
※料金はすべて税込価格です(2025年4月時点)
※各社のキャンペーンやプランは変更される場合があります。最新情報は各社の公式サイトでご確認ください。
まとめ:楽天モバイルでSIMフリー端末を使えない時は原因を切り分けることが重要
楽天モバイルでSIMフリー端末が使えない原因は、バンドが非対応である・APN設定の誤り・VoLTE無効化・SIMロック残存など多岐にわたります。
特にBand 3(1.7GHz)は必須であり、Band 18/26(800MHz)は地下や郊外での安定通信に推奨です。
解決にはAPN設定(rakuten.jp)とVoLTE有効化が基本で、楽天公式の動作確認端末リストでの事前確認も重要です。
Pixel、OPPO、Xiaomiなど海外製端末は設定変更で使えるケースが多い一方、古いiPhoneや一部Android端末は非対応の可能性があります。
中古端末購入時は、SIMロック解除状態とネットワーク利用制限を必ず確認し、eSIM対応端末なら即日開通も可能です。
基本設定8項目のチェックと段階的なトラブルシューティングで、ほとんどの問題は解決できます。
不明な点がある際は、楽天モバイル公式サポートの活用を行いましょう。