「光回線の工事って何をするの?」
「工事内容や費用がどれくらいかかるか知りたい!」
光回線の開通工事は集合住宅と戸建てで内容が違ったり、工事が必要な場合は事前に日程の調整を行なったりする必要があります。
このため、工事の流れを知らないと光回線の開通がスムーズに行えず、使いたいときにインターネットが使えないかもしれません。
そこで今回の記事では、光回線の工事内容や申し込みから開通までどれくらの期間が必要なのかについて解説します。
また、光回線工事完了後にしなければならない作業や、光回線工事ができない場合の対応方法についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
光回線の工事内容とインターネット開通までの流れ
まずは、光回線の工事内容とインターネット開通までの流れを確認していきましょう。
集合住宅と戸建ての場合で工事内容とインターネット開通までの流れは少し違います。
集合住宅(マンション・アパート)の場合
集合住宅(マンション・アパート)の場合は、建物の共有スペースまで光回線が引き込まれているとインターネット開通までの作業がスムーズです。
- 集合住宅(マンション・アパート)の共用スペース内の光ファイバーケーブルを各部屋に分岐
- 部屋の壁に光コンセントを設置
- ONU(光回線終端装置)と接続
- 必要であればルーターなどに接続
※光コンセントとは外から引き込まれた光回線と室内の機器類を接続するためのコンセントです。
※ONU(光回線終端装置)とは、光回線の信号を、私たちが使えるデータの形に変える装置です。光回線で届く信号はそのままではパソコンやスマートフォンで使えません。
あとはパソコンなどと直接LANケーブルを繋ぐか、Wi-Fiルーターを設置すればインターネットが利用可能です。
一方、集合住宅の共有スペースに光回線が引き込まれていない場合は、近くの電柱からの引き込み工事とスプリッター(分配器のような装置)の設置を行う必要があります。
このため、外から光回線を引き込む場合は、大家さんなどの管理者に相談しなければなりません。
戸建て住宅の場合
戸建て住宅の場合も近くの電柱から光回線を引き込む必要があります。
- 最寄りの電柱から光回線を自宅に引き込む
- 家の外壁から家の中に光回線を通す(必要であれば、壁に穴をあける)
- 室内の壁面に光コンセントを設置
- ONU(光回線終端装置)と接続
- 必要であればルーターなどに接続
あとはパソコンなどと直接LANケーブルを繋ぐか、Wi-Fiルーターを設置すればインターネットが利用可能です。
電柱から自宅への光回線の引き込みでは、電話用の配管やエアコンダクトを使用しますが、状況によっては10mm程度の穴をあけます。
工事不要の場合はある?
集合住宅(マンション・アパート)の場合は室内に光コンセントが設置されていれば工事が不要です。
最近のマンションやアパートは、光コンセントが設置済の場合が多いので、部屋の内見などで光コンセントがあるかどうか確認しておきましょう。
光コンセントが設置されていれば、ネットの契約がかなりスムーズになります。
新築戸建ての場合は基本的に工事が必要です。中古の戸建てを購入する場合は光コンセントが設置されているか確認しましょう。
光回線工事の注意点は?
光回線の工事をスムーズに進めるためには、いくつか注意点があります。
知らずに契約してしまうと光回線が使えなかったり、工事に時間がかかったりするので、それぞれ確認していきましょう。
賃貸物件の場合は工事の許可をとる
賃貸物件の場合は、光ファイバーケーブルを建物内に引き込む作業が必要な場合、スペースがないと壁に穴を開けなければなりません。
戸建て住宅の場合は壁に穴を開けるのに許可は不要ですが、賃貸物件の場合は大家や管理会社の許可が必要です。
事前に許可をとらずに工事を進めてしまうと、後々トラブルに発展する可能性があります。
また、契約書などに大家や管理会社の許可をとる旨が記載されている場合もあるため、しっかり契約書などを確認しておきましょう。
対応エリアかどうか確認する
光回線は取り扱う会社によって対応エリアが異なります。
都市部ではほとんどの光回線の契約が可能ですが、地方や山間部ではそもそも光ファイバーケーブルが敷設されておらず、光回線の工事ができません。
キャンペーンなどで料金が安くなっているという理由で、あまり確認せずに契約してしまうと、後で対応エリア外だと気づき時間を無駄にしてしまう可能性があります。
事前に光回線の公式HPから対応エリアかどうか確認しておきましょう。
日程に余裕をもって契約する
光回線の開通までは、申し込みから1~2ヶ月程度の期間を見込んでおく必要があります。
工事の予約は先着順で受け付けられるため、希望の日程で工事ができるとは限りません。
12月の年末や3月の引っ越しシーズンは申し込みが集中するため、特に余裕を持って行動しましょう。
また、既存のインターネット回線からの乗り換えを検討されている場合は注意が必要です。
回線の切り替え時期によっては、一時的にインターネットが使用できない期間が発生する可能性があります。
余裕をもって光回線の手続きを進めましょう。
光回線工事に立ち会いは必要?
住んでいる環境によっては光回線工事に立ち会いが必要な場合があります。
工事担当者が自宅を訪問する「派遣工事」と、訪問しない「無派遣工事」があるので、それぞれの違いについて確認していきましょう。
立ち会いが必要な場合|派遣工事
光回線が自宅に引き込まれておらず、光コンセントが住宅内に無い場合は立ち会いが必要になります。
特に新築一戸建ての場合は、光回線契約の際は工事が必ず必要です。
また、契約する回線事業者が引き込み済み回線とは異なる会社の場合は立ち会いが必要な場合があるので注意しましょう。
例えばフレッツ光の光ファイバーが導入されている場合、独自の光回線通信網の「auひかり」や独自の電力系の「eo光」を契約すると立ち会いの工事が必要な可能性があります。
光回線が自宅に引き込まれて、光コンセントがあったとしても契約時は担当者に確認しましょう。
立ち会いが不要な場合無派遣工事
光回線が自宅に引き込まれており、光コンセントが設置されている場合は立ち会いが不要です。
また、過去に契約していた光回線と再契約する場合や、同じ光回線を利用する系列の事業者への変更や転用などでも立ち会い工事は不要となります。
光回線工事の費用について
光回線の工事費用は建物の種類や工事内容によって異なりますが、一般的に戸建て住宅よりも集合住宅の方が安いです。
- 戸建て住宅:15,000〜20,000円ほど
- 集合住宅:7,000〜15,000円ほど
戸建て住宅の場合、一般的な工事費用は15,000〜20,000円ほどです。
ただし、建物の状況によっては追加工事が必要な場合があります。
例えば、電柱から建物までの距離が長い場合や、特殊な工事が必要な場合は、数万円の追加費用が発生する可能性があります。
一方、マンションなどの集合住宅は、建物内の配線設備が既に整っていることが多く、一般的に工事費用が戸建てよりも安く設定されており、7,000〜15,000円ほどです。
また、多くの光回線の会社ではキャンペーンを実施しているため、安くなる可能性があります。
特に新規契約の場合は、工事費用が実質無料になるプランが多いです。ただし、無料特典を受けるには一定期間の継続利用などの条件が付くため注意しましょう。
光回線工事の期間や時間について
ここでは気になる光回線工事の期間や時間について解説します。
契約する会社や時期によって期間や時間は異なります。参考までにご覧ください。
申し込みから工事開始・インターネット開通まで期間
光回線の開通工事にかかる期間は、建物の種類や工事内容によって異なります。
戸建て住宅の場合、電柱の下見から実際の工事完了まで、1か月ほど必要です。
工事の混み具合によっては、さらに1か月ほど時間がかかることもあるでしょう。
一方、集合住宅の場合は短期間で開通する場合が多いです。派遣工事が不要な場合は、早ければ1週間程度で開通できます。派遣工事が必要な場合でも2~3週間程度で開通すること多いです。
また、平日は仕事で工事の立ち会いが難しい方のために、土日・祝日の工事プランもあります。
追加料金で3,000円ほど必要ですが、平日に時間が取れない方は利用すると工事期間の短縮が可能です。
光回線の開通はできるだけ、早めに申し込みましょう。開通希望日の2か月前には申し込みを行うのがおすすめです。
特に12月の年末や3月の引っ越しシーズンは申し込みが集中する時期となります。この時期は工事の予約が取りにくくなるため、余裕を持って申し込みましょう。
工事の時間
光回線の工事時間は、建物の状況や配線方法によって異なりますが、一般的には30分から2時間ほどで工事が完了します。
最寄りの電柱に光ファイバーケーブルが既に設置されており、エアコンの配管などを利用して建物内に引き込める場合は、早く工事が完了します。
一方、最寄りの電柱まで光ファイバーケーブルが届いていない場合は、ケーブルを引き込む作業にかなりの時間が必要です。
さらに、地中配線工事が必要な場合や、看板などを経由して配線する必要がある場合は、工事時間が大幅に延びる可能性もあるため、工事の後に予定は入れないようにしましょう。
光回線工事完了後にご自身で行うこと
光回線の工事が終わるとすぐにインターネットが使えるわけではありません。自分でいくつか設定を行う必要があります。
- パソコンなどのインターネット設定
- Wi-Fiルーターの設定
パソコンなどのインターネットに繋げたい機器をONU(光回線終端装置)とLANケーブルで接続し、説明書を参考にインターネットの設定を行いましょう。
また、パソコンやスマホを無線で接続したい場合は、Wi-Fiルーターが必要です。
Wi-FiルーターはONUとLANケーブルで接続し、Wi-Fiルーターの初期設定をするだけで利用できるようになります。
最新の機器なら、QRコードを読み込めば簡単に無線接続できる機種もあるので、簡単設定などと書かれている機種を購入しましょう。
光回線工事ができない場合の対応方法
建物が光回線の提供エリア外や、大家さん・管理会社の許可がとれないなどの理由で光回線工事ができない場合は、以下の対処方法を検討しましょう。
それほど速い通信環境が必要で無い場合は、ホームルーターやスマホのテザリングで問題ない場合もあります。
それぞれの対処方法を確認していきましょう。
対応している光回線業者を探す
住んでいる地域が希望する光回線の提供エリア外だとわかった場合は、他の光回線業者を探しましょう。
提供エリアは各光回線事業者の公式サイトで提供されているエリア検索サービスを利用すると調べられます。
郵便番号や住所を入力するだけで、簡単に利用可能エリアかどうかを確認可能です。
ただし、地方にお住まいの方は公式サイトの検索機能では正確に対応状況を把握できない場合があるため、直接電話や店舗窓口での相談しましょう。
モバイル回線ルーターを契約する
光回線の工事ができない場合は、モバイル回線ルーターを利用するとインターネット環境を整えられます。
モバイル回線ルーターは提供エリア内であればコンセントに機器を接続するだけで、簡単にインターネットが利用可能です。
また、工事が不要なため、頻繁に引っ越しをする方や、賃貸物件で工事の許可が得られない方におすすめのサービスです。
通信速度は光回線には及びませんが、ポケット型WiFiなどと比べると安定した通信環境を実現できます。
ポケットWiFiを契約する
光回線の工事ができない方にはポケットWiFiもおすすめです。
ポケットWiFiはモバイル回線を利用した小型の通信端末で、工事不要でインターネットに接続できます。
モバイル回線ルーターとは異なり持ち運びが可能なため、出張や旅行が多い方におすすめです。
しかし、通信速度や安定性については光回線やモバイル回線ルーターと比べると若干劣ります。
特に電波の届きにくい場所や、混雑時間帯は速度低下が起こる可能性が高いことに加え、多くのプランで通信容量に制限が設けられており、使う場所や時間、通信量を気にしなければなりません。
旅行や外出先のスポットで利用する分には問題ありませんが、自宅で常に利用するのおすすめできません。
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スマホのテザリング機能を使う
インターネットをそれほど利用しない方は、スマートフォンのテザリング機能で十分な可能性があります。
テザリングとは、スマートフォンの回線を利用して、パソコンやタブレットなどの端末をインターネットに接続する機能です。
テザリング機能を利用すれば、面倒な回線契約や工事の立ち会いが不要で、すぐにインターネットを利用できます。
また、スマートフォンの電波が届く場所であれば、外出先でも利用可能です。
とはいえ、テザリングはスマートフォンのデータ量をたくさん消費するため、使いすぎによる速度制限には注意しましょう。
光回線工事に関するよくある質問
ここでは光回線工事に関するよくある質問をまとめました。
ここで光回線工事に関する疑問を解決しましょう。
Q
光回線工事は具体的に何をするのですか?
A
光回線の工事では、インターネットを利用できるように光ファイバーケーブルを家に引き込む作業が行われます。
具体的には、電柱から家に光ファイバーケーブルを引き混込み、家の中にケーブルを通し、ONUなどの機器を設置します。
Q
光回線の工事後すぐにインターネットは使えますか?
A
光回線の工事が完了すればすぐにインターネットが使える場合がほとんどです。
光回線の工事が完了し、ONU(光回線終端装置)やルーターが設置され、工事担当者による接続テストが問題なく終わり、少しの設定を行えば基本的にその時点でインターネットが使えるようになります。
Q
光回線の開通は当日できますか?
A
通常工事が始まるまでに数週間〜数ヶ月かかるため、申し込み後すぐに開通することはありません。
業者によって開通までにかかる日数に違いがあるため、急ぎの場合は対応が速い業者を選びましょう。
Q
工事が終わったあとに、インターネットを利用するにはどうしたらいいですか?
A
回線の工事のあとの設定は自身で行う必要があります。
ONU、もしくはホームゲートウェイとWi-FiルーターやパソコンなどをLANケーブルでつなぎ、必要な設定を済ませましょう。
Q
光回線工事中は室内で何をしていればよいですか?
A
工事前と後に説明を受ける程度で特にすることはありません。
工事中は邪魔にならないように静かに過ごしていましょう。
まとめ
今回の記事では、光回線の工事内容や申し込みから開通までどれくらの期間が必要なのかについて解説しました。
集合住宅と戸建て住宅どちらの場合でも壁に穴を開ける工事が必要な場合があり、工事が必要な場合は立ち会いが必要になります。
開通期間に関しては、集合住宅の方がすでに建物に光ファイバーが引き込まれていることが多いため、期間が短い場合が多いです。
費用に関しても工事が不要な場合が多いため、戸建て住宅が15,000〜20,000円ほどに対して、集合住宅は7,000〜15,000円ほどと安くなっています。
また、あまりインターネットを利用しない方は「モバイル回線ルーター」「ポケットWiFi」「スマホのテザリング機能」がおすすめです。
費用が安く済むだけでなく、工事が不要で面倒な手続きも必要ありません。自身のライフスタイルに合わせて光回線か他の選択肢を検討しましょう。